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特許番号とは? 出願番号や公開番号との違いも説明



「特許番号」は、登録済みの特許に付与される7桁の番号で、特許文献の検索に不可欠な番号のひとつです。


発明にまつわる番号には「出願番号」や「公開番号」、今では廃止された「公告特許公報」に記載されていた「公告番号」など様々な番号がありますが、本記事では、混同されやすいこれらの番号との違いも含め、特許番号について説明します。ぜひ最後までお読みください。



特許番号とは

「特許番号」とは、登録された特許を管理するために登録済み特許に付与される番号です。


特許庁の審査を経て登録された特許は「特許公報」に掲載されます。特許公報には「特許第×××××××号」というように、7桁の番号で示された特許番号が記載されます。



特許番号は、膨大な数の特許公報から特定の特許公報を見つけ出すうえで必要不可欠な番号です。


特許公報は、1996年より後に発行されるようになった公報ですが、1922年(大正11年)から1996年(平成8年)まで発行されていた公告特許公報には、「公告番号」が付与されていました。


公告番号は、「特公平××-××××××」というように、「特公」、年号の頭文字(大・昭・平)、2桁の数字、ハイフン(-)、6桁の数字で構成されます。1996年より前に発行された特許の抄録や図を調査する際には、この「特公」から始まる公告番号をもとに検索するとよいでしょう。



出願番号や公開番号との違い

特許番号とよく似た番号に「出願番号」と「公開番号」があります。いずれも発明に関する手続きの過程で付与される公的な番号ですが、特許番号と混同されやすいため、検索する際は注意が必要です。


出願番号とは

「出願番号」とは、その名のとおり特許出願された発明に対して付与される番号です。「特願2023-××××××」というように、「特願」、西暦、ハイフン(-)、6桁の数字(000001~999999の通し番号)で構成されています。


主に出願済みの発明について審査経過や審査書類を確認したいときに使われ、6桁の数字の通し番号は年ごとにリセットされます。


公開番号とは

「公開番号」は、公開済みの発明に付与される番号です。特許出願後1年6カ月が経過すると、特許が認められるかどうかに関わらず、原則として発明が公開されます。公開番号は、発明の公開時に発行される「公開特許公報」に掲載されます。


公開番号は、「特開2023-××××××」というように、「特公」、西暦、ハイフン(-)、6桁の数字(000001~999999の通し番号)で構成されます。ここでも、6桁の数字の通し番号は年ごとにリセットされます。


なお、2000年より前に付与された公開番号については、西暦部分が「昭××」「平××」などの和暦で表示されています。



特許番号の見つけ方

では、登録済み特許に付与された特許番号を見つけるには、どうすればよいでしょうか。ここでは、特許の対象製品の記載から見つける方法と、特許情報プラットフォームを使って検索する方法を紹介します。


製品から見つける

特許法は、特許に係る物またはその生産方法が特許権の対象であることを表示する「特許表示」について定めています。このため、特許権の対象である物やその包装に特許番号が掲載されていることがあります。


しかしながら、特許表示は努力義務にすぎないため、必ずしもすべての特許製品に特許番号が記載されているわけではありません。


また、「特許第×××××××号」という表示ではなく、デザインの観点から「PAT. ×××××××」と記載されているものもあります。この場合は、PAT.を特許に読み替えて特許番号を特定できます。


特許情報プラットフォームで見つける

特許の出願者や発明に関するキーワードが判明している場合は、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」を使って特許公報を検索するとよいでしょう。


「J-PlatPat」のトップページ(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ にある簡易検索の検索窓にキーワードを打ち込み、「検索」をクリックすることで、該当する特許文献の一覧を見ることができます。


出典:J-PlatPat


特許文献の一覧画面では、文献番号の欄に特許番号(「特許」で始まる番号)と公開番号(「特開」で始まる番号)の両方が示されますので、混同しないよう気を付けましょう。


また、「判明している特許番号から、特許の詳細を調べたい」という場合も、「J-PlatPat」の簡易検索窓に特許番号を入力することで容易に特許文献を検索できます。



国際出願(PCT)を行った場合の特許番号

国際出願(PCT)を行った場合は、日本の特許番号とは別に、改めて特許番号が付与されます。


ここで付与される特許番号は、アルファベット2文字と7桁の数字で構成されています。アルファベット2文字は国ごとに定められていて、例えば日本でPCT出願した場合は「JP×××××××」と表示され、これをアメリカ合衆国に移管すると「US×××××××」と表示されます。



なお、ひとつの発明を別の国に移管すると、アルファベット2文字だけでなく7桁の数字も改めて付与されることとなります。


なお、国際出願された発明の特許番号が判明している場合は、WIPOの国際・国内特許データベース検索「PATENTSCOPE」にて発明の詳細を調べることができます。




まとめ

今回は、登録済みの特許に付与される「特許番号」について解説しました。


特許番号は、特許文献の検索に役立つ番号ですが、検索する際には出願番号や公開番号との混同に注意しなければなりません。また、本格的な特許調査では、その他のキーワードやタームを組み合わせて調査する必要があります。正確な特許調査には、専門家による漏れのない詳細な調査が欠かせません。


井上国際特許商標事務所には特許調査に熟練した専門家が在籍しております。特許番号を用いた特許調査にお悩みの方は、ぜひご相談ください。


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