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ゲームIPを守り、ファン文化を育てる。二次創作ガイドラインとこれからの知財戦略
ファンによる二次創作は、ゲーム作品の魅力を広げ、コミュニティを活性化させる重要な文化として定着しています。一方で、デジタル化やグローバル展開の進展により、IP(知的財産)侵害リスクも顕在化しています。 今回は、主要メーカーの二次創作ガイドラインの動向を踏まえながら、ゲーム業界における二次創作とIP保護の現状、そして企業・クリエイター双方に求められる実務と注意点を紹介します。 なぜ今、二次創作ガイドラインが必要なのか? ゲーム業界では、ファンによる二次創作が、作品世界の広がりやコミュニティの活性化に寄与してきました。イラストや動画、同人活動を通じて作品への愛着が深まり、新規ユーザーの獲得や長期的な人気維持につながる点は、大きなポジティブ要素です。 一方で、デジタル配信やグローバル展開が進む昨今、無断利用や権利侵害を伴うコンテンツの拡大が問題となっています。このためゲーム業界は、ブランド価値や収益機会を維持するために、どのような二次創作を許容するかを明示するガイドライン策定の必要性に迫られています。 「許容範囲」はどこまで? 主要ゲームメーカーに見る


共同開発を成功に導く契約のポイント:知財トラブルを防ぐ条項チェックリスト
複数の企業や研究機関が強みを持ち寄る共同開発は、イノベーション創出の有効な手段である一方、知的財産(知財)を巡るトラブルのリスクも内包しています。成果の帰属や利用範囲があいまいなまま進めてしまうと、事業化の停滞や信頼関係の悪化を招きかねません。 ここでは、共同開発契約において押さえておくべき知財の基礎知識と、実務上必須な知財条項チェックリストを紹介します。 共同開発の落とし穴:なぜ知財トラブルで事業が止まるのか? 共同開発とは、複数の企業や研究機関がそれぞれの技術やノウハウを持ち寄り、新製品や新技術の創出を目指す取り組みのことです。 共同開発であれば、単独では難しい開発を効率的に進められます。その一方で、成果物に関する知的財産権の帰属や実施範囲を巡ってトラブルが生じやすい課題もあります。 知財トラブルが発生すると、協議や紛争対応に多くの時間とコストを要するだけでなく、事業化の遅れや機会損失につながります。さらに、当事者間の信頼関係が損なわれ、将来的な協業にも悪影響を及ぼしかねないため、契約段階で知財の取り扱いを明確に定めておくことが重要です。..


意匠権の通常実施権許諾契約書とは?必須項目と注意点も解説
製品のデザインを保護する知的財産権である、意匠権。この権利を第三者に利用させる際に欠かせない契約書が「通常実施権許諾契約書」です。意匠権の範囲や利用条件、ライセンス料など、意匠権の価値と事業リスクを左右する重要事項が数多く含まれる重要な書類です。 今回は、意匠権の通常実施権許諾契約書の概要から、契約書に盛り込むべき必須項目、注意点までを、わかりやすく解説します。 意匠権の通常実施権許諾契約書とは 意匠権の通常実施権許諾契約書とは、製品のデザイン(意匠)を保護する意匠権を持つ意匠権者(ライセンサー)が、第三者(実施権者/ライセンシー)に対して、その意匠を事業として利用することを許可する際に交わす契約書です。 意匠権とは 「意匠」とは、製品の形状、模様、色彩、またはそれらの組み合わせによって生じる視覚的な美しさを指します。そして、意匠権とは、工業製品などの意匠を保護するための知的財産権です。 意匠登録により意匠権を取得することで、その意匠を無断で実施(製造、販売など)する第三者に対して、実施の差止めや損害賠償請求などの権利を行使することができます。


税関差止申立ての手順とコツ―模倣品を水際で止める最新実務
近年、海外から流入する模倣品は巧妙化し、企業のブランド価値や消費者の安全を脅かす深刻な問題となっています。それらの模倣品を国内へ入れないために、権利者が水際で活用できる実務ツールが「税関差止申立て」です。 今回は、税関差止申立ての仕組みから手続の流れ、実務上のポイントまでを詳しく解説します。 税関差止申立てとは 税関差止申立ては、権利者が自身の知的財産権を侵害するおそれのある貨物の輸出入を差し止め、認定手続を行うよう税関に申し立てる制度です。 なかでも、輸入差止申立ては、模倣品が国内に流入するのを水際で阻止するための強力な制度となっています。 申立ての対象となる権利 税関差止申立ての対象となる権利は、商標権、著作権、特許権、実用新案権、意匠権、育成者権、原産地名称表示(地理的表示)といった知的財産権です。 模倣品の例 具体的な模倣品の例としては、以下のようなものが挙げられます。 ブランドロゴなどを無断で使用した衣類、バッグ、時計など。 違法コピーされたDVD、書籍、ソフトウェアなど。 模倣品の製造に用いられた技術やデザインを侵害するもの(ただし、


関連意匠制度とは?制度概要と活用方法をわかりやすく解説
初期モデルのデザインをもとに改良版を開発したり、バリエーション展開したり、そんな時に役立つのが「関連意匠制度」です。 もとの意匠から派生デザインまでをひとつのデザイン群として保護でき、模倣対策やブランド戦略にも活かせる仕組みです。今回は、関連意匠制度の概要から活用方法、メリットまでを解説します。 関連意匠制度とは 関連意匠制度を説明する前に「意匠制度」について簡単におさらいしましょう。意匠制度とは、工業製品などの形状、模様、色彩といった外観のデザインを保護する制度です。創作性が認められ、かつ製品の美観を高めるものが対象となります。 そして、基本となる意匠(本意匠)と類似するデザインについても保護する制度が「関連意匠制度」です。関連意匠を登録することで、ひとつの製品デザインから派生する多様なバリエーションや改良デザインまでを保護できます。 関連意匠制度導入の背景 関連意匠制度は、意匠権者の権利保護をより実効的なものにするために導入されました。意匠権は基本的に、登録された一つの意匠に対してのみ効力が及びます。そして、登録済みの意匠と同一ないし類似のデ


意匠の新規性喪失の例外規定とは?適用要件と具体例も紹介
新製品の展示会出品や発売前のオンライン先行販売、業界誌への掲載など、新デザインの意匠出願前に、市場の反応を見るためや販促のために一部の媒体でデザインを公開することがあります。 ところが、公開されたデザインには意匠登録の要件である「新規性」がありません。そんなとき、公開デザインでも例外的に意匠登録を可能にする「新規性喪失の例外規定」が役に立ちます。 ここでは、新規性喪失の例外規定の適用要件から手続き、実務上の注意点まで、具体例とともに解説します。 意匠の新規性喪失の例外規定とは 意匠法における「新規性」の原則 意匠登録を受けるためには、原則としてその意匠の「新規性」が要件となります。 新規性とは、意匠登録出願をする前に、日本国内または外国において公然と知られたり、あるいは実施されたりしていないことを指します。 例えば、以下のような場合は新規性が認められません。 国内外で製品として販売された、または展示された意匠 国内外で公表された刊行物(書籍や雑誌、インターネット上の記事など)に掲載された意匠 国内外で公然と(不特定多数の人が利用できる場所で)実施


意匠登録の拒絶理由通知とは? 理由別の対応について詳しく解説します
出願した意匠に対して特許庁から「拒絶理由通知」が送られてくることがあります。これは、特許庁の審査官が意匠登録を「認められない」と判断した場合に、その理由とともに出願人に通知する書面のことです。 もっとも、この通知を受け取ったからといって直ちに意匠登録できなくなるわけではなく、むしろ登録の可能性を探るための重要な機会なのです。今回は、拒絶理由通知の概要から具体的な対応までを解説します。 拒絶理由通知とは 意匠登録における「拒絶理由通知」とは、出願された意匠について特許庁の審査官が「登録を認められない」と判断した場合に、その理由を記載して出願人に通知する書面のことです。 意匠登録の出願をすると審査官による審査が行われますが、その結果、登録要件を満たしていないと判断された場合は出願人に「拒絶理由通知」が届きます。 これに対応しないまま応答期間が経過すると、拒絶査定が送付されて意匠登録ができなくなってしまいます。拒絶理由通知を受け取ったら、すぐに記載されている拒絶理由を確認して対応する必要があります。 主な登録拒絶理由 主な登録拒絶理由としては、以下のよ


意匠権侵害への警告書とは? 受け取ってからの交渉方法についても解説します
意匠権の権利者から、意匠権侵害の警告書が送られてくることがあります。警告書への対応を誤ると、訴訟リスクの増大や企業イメージの低下を招く事態に発展するケースも考えられます。 今回は、警告書を受け取った際の初期対応から、意匠権侵害の判断基準、そして円満解決へと導くための具体的な交渉術までを網羅的に解説します。 意匠権侵害の警告書とは 意匠権侵害の警告書とは、意匠権の権利者が、他社の製品などが自社の意匠権を侵害している、あるいは侵害するおそれがあるとして、製品の製造・販売の差し止めや損害賠償などを求める通知のことです。警告書は、訴訟などの法的手続に移行する前に当事者間の話し合いによって問題を解決しようとする「警告」としての性格を持っていますが、その通知自体に法的な拘束力はありません。警告書には、主に以下のような内容が含まれています。 警告主(権利者)の氏名または名称 警告主が有する意匠権(登録番号、意匠の内容など) 警告受信者の製品が意匠権を侵害している、または侵害するおそれがあるという主張 具体的な要求(製造・販売の差し止め、在庫の廃棄、損害賠償、ラ


営業秘密管理指針とは? 令和7年改訂についてもわかりやすく解説
令和7年3月、経済産業省が公表しているガイドライン「営業秘密管理指針」が改訂されました(以下、「令和7年改訂」)。この指針は、不正競争防止法のもと「営業秘密」が保護されるための要件解釈や、企業等が自社の情報を「営業秘密」として適切に保護するための情報管理体制構築に欠かせない...


大学発ベンチャーの知財戦略|立案からVCとの関係性までを解説
大学の研究成果や技術シーズを基に設立される大学発ベンチャー。その多くは、革新的な技術を核としています。 今回は、大学発ベンチャーが知財戦略をどのように構築・推進していくべきか、課題を踏まえて解説します。知財戦略の立案からベンチャーキャピタル(VC)との関係性まで、幅広い範囲...
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