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意匠権とは?存続期間や具体例、検索方法などを紹介

更新日:2023年8月10日



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意匠権は、物品等のデザインに対して与えられる権利で、登録が認められると、そのデザインと同一または類似のデザインについて、製造・販売を独占できます。


では、意匠権を取得するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。また、意匠権はどのくらいの期間持続するものなのでしょうか。ここでは、意匠権の具体的なメリットや、その存続期間に加え、意匠権の例や、既に登録されている意匠を検索する方法などについて紹介します。



意匠権とは?

意匠権とは、物品、建築物、画像などのデザインに対して与えられる独占的な権利のことです。意匠権により保護されるのは、全体のデザインと、特徴のある部分的なデザインです。


意匠権は、基本的に工業製品に与えられます。絵画や彫刻などの美術品や、盆栽などの自然物には与えられません。この点は、美術品にも与えられる著作権との違いです。



意匠権の効力と、取得するメリット

意匠権の効力は、登録されている意匠とまったく同じものだけでなく、類似したものにも及びます。そのため、第三者による模倣品・類似品も排除でき、自社製品のブランディングに役立ちます。


また、他者よりも先に意匠権を取得することで、第三者が取得した意匠権に抵触して、製品の製造・販売を行えなくなるリスクを防げます。また、意匠権を与えられたという事実も、会社やブランドの信頼性向上に繋ります。これらが意匠権を取得するメリットといえるでしょう。



意匠権を侵害されたときに何ができるか

意匠権を侵害されたとき、意匠権者が行使できる権利には、「差止請求権」「損害賠償請求権」などがあり、具体的に以下のようなことができます。


  • 製造中の模倣品と、模倣品の在庫の強制的な廃棄

  • 模倣品の製造・販売、及び、宣伝の停止

  • 模倣品の販売によってこうむった損害の賠償請求


こうした強い権利が与えられるため、意匠権を第三者が意図的に侵害することは限りなく少なくなります。


意匠権の存続期間

意匠権の存続期間は、意匠登録出願の日から最長で25年です。意匠権を存続させるためには、権利を維持するための「登録料」が毎年かかります。


【意匠権の存続のためにかかる登録料】

  • 第1年から第3年まで 毎年 8,500円(非課税)

  • 第4年から第25年まで 毎年 16,900円(非課税)


登録料を支払わない場合、意匠権は失効となり消滅します。



なお、平成19年3月と令和2年3月に意匠権の存続期間が変更されています。該当の期間に出願したものは、以下の通りの期間になります。存続期間が15年もしくは20年と短いので注意しましょう。


  • 平成19年4月1日から令和2年3月31日までに出願した意匠権は最長で登録から20年

  • 平成19年3月31日以前に出願した意匠権は最長で登録から15年


意匠登録されている物品の例

意匠権が与えられている物品の例として、以下のようなものがあります。


【意匠登録されている物の例】

  • 文房具

  • 照明器具

  • お菓子のパッケージ

  • ねじ

  • デジタル家電

  • 包装容器   など


以下の図は、意匠権で保護された物品のデザインを特許庁が定める「日本意匠分類」に基づいて分類したグラフです。なお、グラフの比率は、2019年の意匠登録出願件数に合わせたものになっています。



意匠登録の具体例

意匠権を与えられた物品や建築物の実例を紹介します。


物品の例:Apple Air Pods


Appleのイヤホン「AirPods」は、全体のデザインを意匠登録したうえで、装着時に耳から出ている先端部分のみを別途部分的に意匠登録し、特徴的なデザインを保護しています。


敢えて、先端部分だけを部分意匠として別途登録したのは、この部分を巧妙に模倣した商品を市場から排除したいからに他ならないといえるでしょう。AirPodsを人が耳に装着したときに周りの人から見える、いわゆる「うどん」と呼ばれる部分がAirPodsのもっとも特徴的な部分であり、ブランディングにも重要な要素であるとAppleが考えたためと考えられます。



食品の例:やわもちアイス(井村屋)


井村屋の「やわもちアイス」は、冷菓(アイス)の上部にあん部材の層があり、その上に5つのもち部材が放射状に並んでいます。


当初、容器と中身は別の意匠であるとして意匠登録は認められませんでしたが、後に知的財産高等裁判所が、冷菓の部分が容器から独立することはなく、冷菓と容器が合わさってひとつの意匠であると判断し意匠登録に至りました。


やわもちアイスは、その製造方法について特許(特許第5931783号)を取得している他、ロゴマークも商標登録(商標登録第5554751号)を行っています。食品ブランディングにおける好例のひとつといえるでしょう。



建築物の例:ゼロ動線病棟(三菱地所設計)


2020年の意匠法改正により、建築物の意匠登録が認められるようになりました。その。登録第一号のひとつが「ゼロ動線病棟」です。


中央にナースステーションなどスタッフの常駐エリアを配置し、それを取り囲むように病室を配置することで、医療者の看護導線を「ゼロ」にしていることが特徴です。


病室の周りには縁側廊下をぐるりと配置し、ここは患者とその家族専用の導線に。さらに、病室には大型の窓を設けて採光を確保しています。画一化しやすい病棟の平面設計において、「採光計画及び平面計画に意匠上の特徴がある」として、新規性が認められました。



意匠調査をする際の検索方法

意匠登録を行う前に、既に類似の意匠が登録されていないか調査することを「先行意匠調査」といいます。


類似のデザインが既に登録されている場合、後からの意匠登録は認められないため、出願準備のためにかかった時間と労力が無駄になってしまいます。また、知らずに類似デザインの製品を販売すると意匠権を侵害してしまいます。そういったことを未善に防ぐためにも、意匠調査は重要です。


先行意匠調査はインターネットで可能です。調査には、独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)の「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」を利用します。意匠調査の詳しい方法は、コチラの記事をご覧ください。



意匠登録にかかる費用

意匠登録をする場合、特許庁への出願時と登録時にそれぞれ費用がかかります。また、意匠権を維持するための登録料も毎年必要です。


意匠登録を自力で行うのではなく、特許事務所に依頼する場合は、そのための費用が別途必要になります。


意匠登録にかかる費用の詳細については、コチラの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。



意匠登録をお考えなら、井上国際特許商標事務所にご相談ください

意匠登録をお考えの方は、ぜひ、井上国際特許商標事務所までご相談ください。これまで、個人の事業者から大企業まで、様々な意匠登録を取り扱ってきた豊富な実績があります。


短期間での登録を目指すと共に、お客様の利益につながらない無駄なコストを削減することで、意匠登録にかかる費用の軽減を行っています。


スピーディかつ、コストを抑えた意匠登録をご希望の方は、ぜひ一度、井上国際特許商標事務所にお問い合わせください。


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