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マンガやアニメの「タイトル」は著作権で守れない? 題名の商標登録が必要な理由

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読了時間: 6分

マンガやアニメの「タイトル(題名)」は、原則として著作権では保護されません。そのため、第三者に似たようなタイトルを使われてしまったり、逆に自社が使えなくなったりするリスクがあります。作品やブランドを守るには、「商標登録」が有効な手段となります。


ここでは、タイトルが著作権で守られない理由と、商標登録の必要性や注意点を解説します。



タイトル(題名)と著作権の関係


「有名なマンガやアニメのタイトルを勝手に使ってはいけない」というイメージは、一般的に広く浸透しています。一方で、法律上、マンガやアニメのタイトル(題名)そのものは、原則として著作権の保護対象外です。まずは、その理由を解説します。 


著作権が保護するのは「創作的な表現」

著作権は、思想や感情を創作的に表現したものを保護するための権利です。著作物の代表例としては、小説、音楽、絵画、マンガなどが挙げられます。


こうした著作物を保護する著作権法の趣旨は、創作的な表現を守りクリエイターの創作意欲を促すこと、ひいては文化の発展に寄与することにあります。


著作権について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。




タイトル(題名)に著作物性が認められにくい理由

著作権法では、「思想又は感情を創作的に表現したもの」が著作物として保護されます(著作権法第2条第1項第1号)。ただし、タイトル(題名)それ自体は、一般に短い語句やフレーズで構成され、創作的な表現として著作物性が認められにくい傾向があります。


また、短い言葉や一般的な単語の組み合わせであるタイトル(題名)にまで強力な著作権が及んでしまうと、世の中の日常的な言葉や既存の言い回しが使えなくなり、表現の自由が過度に制限されるおそれがあります。こうした理由から、タイトル(題名)単体は一般的に、著作権の保護の枠外となっています。 


ただし、タイトル自体に著作物性が認められない場合でも、著作権法第20条第1項では、著作者が著作物の題号の同一性を保持する権利(同一性保持権)が認められています。そのため、著作者の意に反して作品の題号を変更する行為は、著作者人格権の侵害となる場合があります。



タイトル(題名)の商標登録が必要な理由


では、タイトル(題名)が他者に模倣されたり無断使用されたりするのを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。そこで重要になるのが「商標登録」です。


商標とは、企業や個人が「自分の商品やサービス」を他のものと区別するために使用するマーク(文字、図形、記号、あるいはこれらが結びついたもの)のことです。特許庁に出願し、審査を経て登録されることで「商標権」が発生します。


タイトルの無断使用からブランドを守る

商標権を取得すれば、指定商品・指定役務と同一または類似の商品・サービスについて、他人が無断で同じまたは類似のタイトル(題名)を商標として使用した場合、差止めを請求するなどの対応が可能です(ただし、単に作品の題名として使われている場合など、使用態様によっては商標権侵害にならないこともあります)。


このため、タイトルを商標登録しておくことは、悪質な便乗商法やファンを混乱させるような類似タイトルに対する、強力な抑止力になります。


なお、商標登録は、タイトルに使用される言葉そのものを独占する制度ではありません。他人による同一・類似の名称の使用であっても、商品・サービスの出所を示す商標として使用されていない場合などには、商標権の効力が及ばないことがあります。


グッズ展開やビジネスの安全性を確保する

マンガやアニメの人気が出ると、Tシャツ、キーホルダー、ゲーム、カフェコラボなどの「マーチャンダイジング(関連グッズ)」展開が広がります。しかしながら、タイトル(題名)が商標登録されておらず、第三者が先に商標登録を受けた場合、指定商品・指定役務や商標の類似関係などによっては自社のタイトル使用が制約されるリスクがあります。このため、将来の事業展開も見据え、使用予定のある商品・サービスについて早い段階から商標戦略を検討することが重要です。


ブランドの信頼性と価値を高める

正式に商標登録されたタイトル(題名)は、公式なブランドとしての信頼性を高めます。ブランドを管理し、第三者による無断使用に対応するための法的基盤を備えておくことで、パートナー企業やプラットフォームとの契約がスムーズになり、ビジネス展開もしやすくなるでしょう。



商標登録の注意点

タイトル(題名)を商標登録する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。 


どの商品・サービスについて登録するか

商標登録出願では、タイトルを使用する商品・サービスを「指定商品・指定役務」として記載し、それぞれに対応する区分を指定します。例えば、マンガの書籍、ダウンロード可能な電子出版物、被服、文房具、映像の配信サービスなどでは、対象となる商品・サービスの内容に応じて指定商品・指定役務や区分が異なります。将来のグッズ展開やライセンス事業も考慮し、実際に使用している、または使用する予定のある商品・サービスを整理したうえで、適切な範囲を指定することが重要です。


すでに同じ・似た商標がないか

出願する前に、J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)などを活用して、すでに似たような商標が登録されていないか事前に調査しましょう。先行する商標が存在する場合、登録が拒絶されたり、トラブルに巻き込まれたりする原因になります。


「識別力」の要件を満たしているか 

商標登録には、自己の商品・サービスと他人の商品・サービスを区別できる「識別力」が求められます。


指定商品・指定役務との関係で、商品の普通名称や品質、内容などを表示するにすぎない商標や、識別力を欠く商標は、登録が認められない場合があります。ただし、一般的な単語やその組み合わせであっても、指定商品・指定役務との関係によっては商標登録が可能です。


タイトルを考える段階、あるいは商標出願する段階で、他の作品と区別できる「識別力」があるかどうか意識する必要があるでしょう。


マンガやアニメの場合、例えば、書籍や映像作品について、そのタイトルが特定の作品の内容を示すものにすぎないと判断される場合には、識別力がないとして商標登録が認められないことがあります。


一方、継続的に発行されるシリーズ作品の共通タイトルとして使用されている場合や、商品・サービスの出所を示すブランドとして機能している場合には、商標登録が認められる可能性があります。


このため、タイトルの商標登録を検討する際には、単に名称が特徴的かどうかだけでなく、実際の使用方法や指定商品・指定役務との関係も確認することが重要です。



まとめ 


マンガやアニメのタイトル(題名)それ自体は、一般に著作権による保護を受けにくいとされています。そのため、タイトルや関連ビジネスを守るには、商標登録を含めた知的財産戦略が重要です。


商標登録によって、指定商品・指定役務の範囲内でタイトルの保護を図り、第三者による無断使用への対応や、関連商品・サービスの展開に備えることができます。作品を長く愛されるブランドに育てるためにも、著作権と商標権の違いを理解し、早い段階から適切な対策を検討しましょう。


井上国際特許商標事務所には、知的財産権に関する知見が豊富な弁理士が所属しています。マンガやアニメのタイトルの保護にお悩みの方は、ぜひご相談ください。


 
 
 

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